
一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル (講談社文庫)
東浩紀
講談社 / 2011-11-25
この本について
社会のことを考えようとすると、どうしても気持ちが萎えてしまうことがあります。政治の議論に参加する気にもなれないし、そもそも同じ土俵で話している感じがしない。情報は多すぎるのに、判断はどんどん難しくなる。そんな「考えたいのに、入り口がつかめない」というモヤモヤ、僕もずっと抱えていました。 東浩紀さんの『一般意志2.0』は、その行き詰まりに対して、正面からではなく“視点をズラす”ことで息がしやすくなる本でした。ルソーの一般意志を「熟議の産物」ではなく「データとして存在するもの」として読み替える発想は、政治を高邁な議論の世界からいったん外に置き直してくれます。ひとことも会話をしなくても、人々の行動履歴から社会の傾きを読み取れるという説明は、現代を生きる自分たちの実感に妙にフィットします。また、検索やSNSに蓄積される無意識の欲望こそが、これからの統治を動かす材料になるという指摘は、政治が遠いものに感じる理由を説明してくれるうえで、個人としてどう距離を取るかのヒントにもなりました。 「議論の場そのものが共有できない時代に、どう社会と関わればいいのか」と考えてしまう人に刺さると思います。ポジティブな処方箋というより、まず今の世界をどう捉え直すかの足場をくれる一冊でした。
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多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの23%が集中しています。
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