
経済成長って何で必要なんだろう? (シノドス・リーディングス)
飯田 泰之, 岡田 靖, 赤木 智弘, 湯浅 誠, 芹沢 一也, and 荻上 チキ
光文社 / 200906
この本について
社会問題について考えようとすると、すぐに「自己責任か、社会責任か」みたいな対立に巻き込まれて、結局なにも前に進まない感じがありませんか。自分の実感としては、どちらの立場にもそれぞれ筋があるのに、議論が噛み合わず、ただモヤモヤだけが残ることが多いです。何を信じればいいのか、自分でもよく分からなくなる瞬間があります。 この本が助かったのは、経済の話を“専門家だけの言葉”として扱わずに、現実の生活と地続きのものとして説明してくれるところでした。たとえば、若者の問題を「心が弱い」とか「努力不足」で片づけがちな構図に対して、実際には雇用構造の変化や景気の動きがどう影響しているのかを、ちゃんと見える形にしてくれます。また、右と左の対立に乗っかるのではなく、「可能な提案」を模索するスタンスが一貫しているので、読後に必要以上のイデオロギー疲れを感じません。さらに、経済学が扱う数字やモデルを、他の領域とつなげるとどう問題解決につながるのかが、無理なく腑に落ちてきます。 政治や社会の話題に触れるたびに疲れてしまうけれど、できればちゃんと理解したいと思っている人には特に刺さると思います。自分の意見を強化するためではなく、「どうすれば少しでも建設的に考えられるか」を探したいときの一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
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