
弱いつながり 検索ワードを探す旅 (幻冬舎文庫)
東浩紀
この本について
最近、同じ場所で同じ情報ばかり見ている気がして、考え方まで固まってきたな…と感じることが増えていました。環境を変えれば何か変わると言われても、仕事も生活もあるし、そんな劇的な変化なんて起こせないよと思いながら。それでも、このまま同じ検索ワードだけで生きていくのは窮屈だな、と。 『弱いつながり』が面白いのは、そんな閉塞感に対して「人生を全部ひっくり返さなくていい」と言い切っているところです。村人か旅人か、みたいな極端な話ではなく、そのどちらにもならない観光客の視点を持つと、今の生活を壊さずに世界の解像度を変えられる。旅に過剰な期待を持たなくていいし、むしろ「ノイズとして環境を変える」くらいの距離感がちょうどいい。現地で思いついた言葉をそのまま検索するだけで、いつもの脳の回路がまったく違うものを拾いはじめる、という感覚がすっと入ってきました。 もうひとつ刺さったのは、「人は見たいものしか見ない」という指摘です。ネットでどれだけ情報を集めているつもりでも、実は自分の検索ワードの範囲でしか世界を見ていない。その限界をどう越えるかは、派手な行動より、環境に身を置く時間のほうが効くのかもしれない、と。 いまの生活を続けたまま、別の回路をひらきたい人に向いている本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの17%が集中しています。
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