
動物化するポストモダン オタクから見た日本社会 (講談社現代新書)
東浩紀
講談社 / 2001-11-20
この本について
最近、情報の渦に放り込まれて、自分が何を欲しているのかよく分からなくなることがあります。作品を見ても「設定やイラストばかり追ってしまうな」とか、「共感しようとしても、なんとなく距離がある」とか。その感覚って、怠けているわけでも感性が鈍ったわけでもなく、今の社会の構造そのものが原因なんじゃないか、と気づかせてくれたのがこの本でした。 読んでいちばん刺さったのは、僕たちが「騙されているのを承知で本気で感動する」という、あの独特の距離感がどうして生まれるのかを丁寧に説明してくれるところです。物語を求めているはずなのに、実際には断片や要素の方に惹かれてしまう。そこに罪悪感を抱く必要はなくて、いまの世界は大きな意味に辿り着けないような構造で動いているからなんだとスッと理解できました。また、インターネットやゲームの仕組みが、僕らの欲望のあり方とそっくりだという指摘も、日々「情報を消費しては忘れる」自分にはかなり現実的でした。 この本は、サブカルやオタク文化を語りたい人だけのものではなく、「自分の欲望の向きがよく分からない」とか「昔みたいに物語に入り込めない」と感じている人にしっくりきます。大きな正解を示すというより、今の自分の立ち位置を少しだけ外側から見られるようになる、そんな一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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