ゼロ年代の想像力

ゼロ年代の想像力

宇野 常寛

早川書房 / 200807

累計読者数12
平均ハイライト数 31.2件/人
star総合評価 79/100
start序盤集中型

この本について

最近、価値観が細かく分裂していて、同じ話をしているはずなのに人によって前提がまったく違う…みたいな場面が増えた気がします。自分も、そのズレに疲れつつ「じゃあ何を手掛かりに考えればいいんだろう」と立ち止まることが多いです。 『ゼロ年代の想像力』は、その混線状態を「昔と比べて人間が弱くなったから」とか「若者文化がどうの」みたいな単純化で片付けず、背景の構造そのものを整理してくれる本でした。物語が共同性の軸にならなくなった時代に、人がどんなふうに欲望や承認を扱うようになったのか。なぜ小さな物語が排他的になりやすいのか。自分がいま感じている息苦しさの“位置”が見えるだけで、無駄に落ち込まずにすみます。 特に、自発的なコミュニケーションの難しさの話は痛いほどわかりました。頑張っても噛み合わない理由が、性格ではなく構造にあるとわかるだけで、関係の築き方を考え直す余白が生まれます。また、エヴァやデスノートがなぜああいう物語になったのかを、時代の変化と一緒に読み解けるので、自分が物語に何を求めているのかも整理されました。 「この世界でどう振る舞えばいいのか、ふわっと迷い続けている人」に届くと思います。

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