
人を動かす 文庫版
D・カーネギー and 山口 博
創元社 / 2016-01-20
この本について
人と話すとき、どうしてこんなに気まずくなるんだろう…と感じる瞬間って、けっこうありますよね。自分の意見を伝えたいだけなのに、相手が固まってしまったり、逆にムキにならせてしまったり。こちらも悪気はないのに、気づけば「勝った・負けた」みたいな空気になっていて、あとで自己嫌悪になることもあります。 この本を読んで改めて思ったのは、人を動かすって「言い負かすこと」じゃなくて、「相手の尊厳をどう扱うか」に尽きるんだなということでした。例えば、自分が間違っていたら先に認めてしまう姿勢とか、意見の違いから入らず、まず共通点を丁寧に確認していく流れとか。どれも小さなことなんですが、実際の会話に持ち込むと、人との距離がほんの少しやわらぐのを感じます。そしてもう一つ大きかったのは、「相手に自分で思いついたと思ってもらう」ことの強さ。押しつけず、相談して、相手の中にやる気が生まれるのを待つというやり方は、自分の癖を見直すきっかけになりました。 結局のところ、この本は“人間関係の正解”を教えてくれるわけじゃなくて、相手も自分も不完全だという前提で、どうやって気まずさを減らしていくかの具体的な工夫が集まっている一冊です。相手を動かす前に、まず相手を大事に扱う。その当たり前のことが、意外なほどできていなかったと気づかされました。 職場でも家庭でも、「言い方ひとつで全部変わる気がするけど、どうすればいいのかわからない」という人には、特に刺さると思います。
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