
君は君の人生の主役になれ (ちくまプリマー新書)
鳥羽和久
この本について
子ども時代のことを思い出すと、「何が正しいのかよくわからないまま、大人の言うことに合わせてきた気がする」というモヤモヤが残っていたりしませんか。いま自分が抱えている迷いも、もしかしたらあの頃の価値観や空気感をまだ引きずっているだけなんじゃないか、みたいな。僕自身も、親や先生との距離の取り方にずっと整理がつかなくて、大人になってからようやく言語化できた部分があります。 この本が面白いのは、親を美化もしないし、子どもを理想化もしないところです。例えば「子どもの主体性は、親の否定に反発することで芽生える」という指摘は、単に厳しさを肯定しているわけじゃなく、自分がどんな力学の中で育ってきたのかを冷静に見直す視点をくれます。また、「好き」を質に取られた瞬間にその好きが死ぬ、という具体的な場面は、いまの自分が誰かの期待に合わせて動こうとする癖の根っこを思い出させます。そして、大人社会の“ごっこっぽさ”を直視する章は、自分が知らないうちに身につけてきた“いい人っぽさ”を一度外に置いてみるきっかけになりました。 親子関係の話ではあるけれど、実際は「自分の価値観がどこから来たのか」を丁寧にたぐるための本です。自分の思考が誰かの言葉に支配されている気がする人、あるいは「主体性って何なんだろう」とふと立ち止まりたくなる人には、静かに効いてきます。僕も読んだあと、過去の出来事が少し違う立体感で見えるようになりました。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの19%が集中しています。
読書の順序
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