
名探偵のままでいて
小西マサテル
宝島社 / 2024-04-03
この本について
日々の出来事をどう受け取るかで、自分の気持ちが大きく揺れることってありますよね。相手の言葉を深読みしすぎたり、見えているものが本当に真実なのか自信が持てなかったり。自分の中で物語を作りすぎて、余計に疲れてしまう感じ、僕もよくあります。 『名探偵のままでいて』に出てくる「世の中のすべての出来事は物語だ」という視点は、その迷いに少し風が通るような感覚がありました。物語だと捉えることで、目の前の出来事を一歩引いて見られるようになるし、逆に当事者にしかわからない“見え方”がどれほど強いのかも理解しやすくなる。レビー小体型認知症の描写では、人の知覚がどれほど本人にとって「確か」なのかが具体的に描かれていて、自分の想像の限界を知るきっかけになります。また、牽強付会にならないように、事実と解釈の距離をそっと測り直す感覚もこの物語から学べました。 ドラマチックに問題を解決してくれる本ではないけれど、「見えているものがすべてじゃない」と自然に思わせてくれるところが、この作品の静かな効き方だと思います。物語を楽しみながら、自分の世界の受け取り方を少しだけ柔らかくしたい人に合うはずです。 特に、つい出来事を悪い方向に物語化してしまう人に、そっと届く一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの40%が集中しています。
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