
八犬伝 上 (角川文庫)
山田 風太郎
KADOKAWA / 2022-11-22
この本について
仕事でも日常でも、「事実はこうなのに、自分はどう解釈すべきなんだろう」と迷うことがよくあります。正しさに寄りかかりたい気持ちと、自分なりの見方を持ちたい気持ちがぶつかるというか…。そんなときに山田風太郎の『八犬伝 上』を読むと、少し肩の力が抜けました。 作中で馬琴が語る「史実に従ってうそをつく」という姿勢がすごくおもしろいんです。根っこになる史実は動かさない。でも、その上でどう枝葉を広げるかは自由。これを読むと、私たちが日々向き合っている現実も同じで、全部を変えられなくても、扱い方や物語の組み立て方はいくらでも工夫できるんじゃないか、という視点が生まれます。 もう一つ刺さるのは、八人の忠臣の殉死という史実を前に、馬琴が淡々と、それをどう物語に昇華するかを語る場面です。重い出来事を重いまま扱うのではなく、そこで人間の感情や動きをどう拾い、どう物語にするか。これが、現実の悩みや混乱を一度“物語として眺めてみる”感覚につながって、感情に飲まれすぎずに整理できるようになるんですよね。 歴史やフィクションの話に見えて、実は「自分の現実の扱い方」を学べる一冊です。事実と解釈のバランスでいつも迷ってしまう人に、じわっと効くと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの50%が集中しています。
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