
三木清全集 新日本文学電子大系 (芙蓉文庫)
三木清、新日本文学電子大系編集部
この本について
なんとなく本を読んでいるのに、自分の中に何も残っていない気がすることってありませんか。情報は増えているはずなのに、芯のある考えが育っていく感じが薄いというか。僕自身、手当たり次第に読んでは忘れて、また焦って別の本に手を伸ばす……そんな時期が長くありました。 三木清の文章を読むと、その焦りそのものを少し外側から見られるようになります。彼が、学校や教師ではなく「書物」を信じたと言いながら、当時は質の低い文章ばかり受け取ってしまったと振り返る場面があります。読書量ではなく、読書の姿勢そのものがズレると、いくら読んでも思考が育たないという現実が静かに刺さります。また、若い頃に蘆花だけを繰り返し読んだ経験を語るくだりは、「一冊を深く読むこと」の価値を、理屈ではなく実感として思い出させてくれます。いまのように何でも読めてしまう環境だからこそ、読む姿勢が散らばりやすいという指摘も、妙に現代的でした。 さらに、田舎の子供には作られた夢はいらない、という一文。人工的に与えられた目標よりも、自分のなかから自然に育つものを大事にしていいんだというメッセージとして読めて、肩の力が少し抜けました。 本を読む意味をもう一度ていねいに考えたい人に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの67%が集中しています。
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