
こんな日は喫茶ドードーで雨宿り。 (双葉文庫)
標野凪
双葉社
この本について
人から何気なくかけられた一言を、後になってずっと気にしてしまうことがありますよね。相手に悪気がなかったのは分かっているのに、なぜか胸の奥に刺さったまま抜けない。そんな自分に「気にしすぎなんじゃないか」とさらに落ち込んでしまう。僕もそういう日があります。 『こんな日は喫茶ドードーで雨宿り。』は、その“刺さりっぱなし”の気持ちを、無理に前向きに変えようとしないところが心地よいんです。作中の人物たちは、「気にしなくていいよ」と軽く流すのではなく、まず“その言葉で本当に傷ついたあなた”を肯定してくれる。そこが、読者が強く共感して保存した部分なんだろうなと思います。また、ドードーのエピソードが象徴するように、自分のペースが遅いことを責めずに、「糊は何度でも貼り直せばいい」とゆっくり立て直す余白をくれるのも、この本の効き方のひとつです。 さらに、嫌だったことを曖昧に流さず、「なぜそう感じたか」を静かに見つめ直す視点をくれるのも大きい。自分の心に水をやるみたいに、丁寧に向き合う時間を思い出させてくれる物語です。 こんな人に刺さると思います。自分の繊細さを“弱さ”だと決めつけたくないけれど、どう扱えばいいか分からなくて迷っている人へ。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの56%が集中しています。
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