
「狂い」の調教 違和感を捨てない勇気が正気を保つ (扶桑社BOOKS新書)
春日武彦 and 平山夢明
扶桑社 / 2023-03-01
この本について
最近、世の中の雑な空気に引きずられて「これおかしくない?」と思っても、流れの速さに押し流されて黙ってしまうことがあるんですよね。職場の理不尽や、ニュースを見たときの違和感も、言葉にする前にどこかへ消えていく感じがあって。ただ、その小さな引っかかりを無視し続けると、自分の判断基準がどんどん曖昧になっていく実感がある人も多いと思います。 この本は、その違和感を「見なかったことにしないための視点」をくれる一冊でした。電通の内部の話を例に、巨大な組織や社会の空気がおかしな方向に転がっていくとき、外から見ると簡単に見えるのに、内側の人ほど麻痺していくという話が妙にリアルです。また、「考えることが最大の武器」という言葉も、状況が不利でも自分の頭だけは奪われない、という静かな励ましとして響きます。さらに、アーレントの議論や世界終末時計の話を通じて、個人が抱く小さな感覚と、社会全体の狂気の動きが地続きであることを、少しずつ理解させてくれます。 大げさに人生が変わるタイプの本ではないですが、「自分の感覚を手放したくない人」にとっては、かなり心強い道具になります。周りのテンションに飲まれがちで、自分の正気をどこに置いておけばいいのか迷う人に刺さると思います。
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