
クレイジーDの悪霊的失恋 ―ジョジョの奇妙な冒険より― (ジャンプジェイブックスDIGITAL)
上遠野浩平、荒木飛呂彦
集英社 / 2023-06-19
この本について
人間関係で相手の行動が理解できず、「どうしてこんな無茶を?」とか「なんであの人はあんなに割り切れるんだろう」とモヤモヤすることが、僕はけっこうあります。自分の想像力の範囲を超えた人に出会うと、相手を責めるでもなく、ただ距離の取り方がわからなくなるんですよね。 『クレイジーDの悪霊的失恋』を読んで刺さったのは、そういう“理解の外側にいる他者”をどう見ればいいのかが、具体的な人物描写の中に自然と置かれていたところでした。たとえば、未来を思い描く想像力が欠けている人は極端な行動をしがちだという指摘は、身近なトラブルの見え方を少し落ち着かせてくれます。また、東方家のように、自分のことを他人事のように語れるタイプが、なぜ他の人が踏み込めない領域に平気で入れるのかという視点は、「強さ」と「鈍さ」の境目を考えるきっかけになります。どちらも、相手の行動を一枚レイヤーをずらして見られるようになる感覚がありました。 感情の理由を言語化したい人よりも、どちらかというと「人の振る舞いの説明がつかなくて困っている人」に刺さるタイプの本だと思います。物語としても楽しめますが、読み進めるうちに、他者との距離の取り方が少しだけ楽になる、そんな位置づけの一冊でした。
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