
グレイラットの殺人 ワシントン・ポー (ハヤカワ・ミステリ文庫)
M W クレイヴン and 東野 さやか
この本について
仕事の帰り道、ふと昔よく聞いていた曲が流れるだけで、気持ちが一気にあの頃に戻ることってありますよね。最近、自分でも説明しづらい「心のどこかがざわつく感じ」に悩むことが多くて、何かきっかけが欲しいなと思っていました。そんなときに読んだのがこの『グレイラットの殺人』でした。ミステリなのに、音や記憶の扱い方がやたらと生活に地続きなんです。 ポーが古いパンクのLPをかけて昔の自分に戻る感じや、ティリーが「人間の脳は刺激で働く」と語る場面は、単なる小ネタじゃなくて、捜査に必要な“思い出し方”を描いているように見えました。忘れていたことが、音の一瞬でよみがえる。その感覚が物語の進行にもリンクするので、読んでいるこちらも自然と視点が切り替わるんです。また、登場人物たちの「ちょっと変わってるけど憎めない」感じが、社会のノイズに疲れた頭をほぐしてくれました。 派手な謎解きというより、感情や記憶の揺れが捜査の軸になるので、日常のモヤモヤを抱えたままでもすっと読み進められます。とくに、昔好きだった音楽に少しでも心当たりがある人には刺さると思います。 静かに気分転換したいとき、ただのミステリ以上の余韻が残る一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
読書の順序
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