
わたしの渡世日記 上 (文春文庫)
高峰 秀子
文藝春秋 / 1998-03-10
この本について
仕事でも人間関係でも、「自分の芯みたいなものが揺れるなあ」と感じる日ってあります。頑張りたい気持ちと逃げたい気持ちが同居していたり、偉い人の前で妙に縮こまったり、逆に意地を張ったり。そういう自分の扱いにくさに疲れること、僕もよくあります。 『わたしの渡世日記』を読んでまず驚くのは、高峰秀子さんがその揺れを“隠していない”ところです。二人の自分がいつも言い争っているとか、人はみんな一本のクギだとか、俳優にも何枚もの顔があるとか、どれも人生の裏側を静かに照らしてくれる話ばかりです。読んでいると、「偉い人と偉くない人」という雑な線引きがほどけて、人間同士で向き合う感覚が戻ってきます。知らないことを恐れずに学ぶ姿勢や、先生を選ぶ基準の話も、そのまま今の仕事に持ち込めるくらい実感があります。 もうひとつ大きいのは、自分がどれだけ“おかげ”に囲まれて生きているかを、さりげなく思い出させてくれるところです。本人は飾らず語っているだけなのに、読んでいる側は「自分もこうやって誰かに支えられてきたな」と自然に振り返ってしまう。こういう視点は、焦ったり尖ったりしている時ほど効きます。 表向きは強く見えるけど、内側ではいつも自分と相談しながら生きている人に、特に響く一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第8章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
読書の順序
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