
厨房の哲学者 (幻冬舎単行本)
脇屋友詞
幻冬舎 / 2023-12-06
この本について
仕事の方向性が見えなかったり、自分には特別な才能がない気がして焦ったり。こういうモヤモヤって、意識していなくてもいつの間にか日常に染みついてきますよね。僕も「この先どこに向かうんだろう」と考えてばかりいた時期が長くて、そんな時に『厨房の哲学者』を読んだら、肩に入りすぎていた力が少し抜けました。 この本が効いたのは、夢を持っていないことを責めない姿勢が、とても現実的だったからです。脇屋さんは「才能でも運でもなく、目の前のことに必死で向き合うことで道が開ける」と淡々と語ります。大きな野望より、今日の仕事の細部を整えること。その積み重ねが後から意味を持つという視点は、正論というより経験から滲んだ重みがあって、妙に納得できました。料理の世界の厳しさや昔ながらの荒っぽい教育にも触れつつ、そこにある“人が育つ瞬間”を正面から描いているのも印象に残ります。 夢がないまま働き続けていることに不安を感じる人や、毎日の仕事が何につながるのか見えなくなっている人には、静かに寄り添ってくれる一冊だと思います。自分の歩幅で進むしかないんだけど、その歩幅でいいんだと確かめたいときに、そっと開きたくなる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
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