
ダーウィンの呪い (講談社現代新書)
千葉聡
講談社 / 2023-11-16
累計読者数3
平均ハイライト数 5件/人
推定読了時間 約4時間36分
star総合評価 33/100
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この本について
ときどき、自分が置かれた環境や社会の「正しさ」みたいなものに違和感を覚えることがあります。頑張れば報われるとか、競争に勝った人が価値を持つとか、なんとなく前提として扱われているものって、本当にそうなんだろうか…と立ち止まりたくなる瞬間です。 『ダーウィンの呪い』は、そういうモヤモヤに静かに手を添えてくれる本でした。進化には目的も方向もない、という当たり前のようで受け入れにくい視点を押し出してきます。私たちが「進歩」と思い込んでいるものが、実は後づけの物語に過ぎないことを丁寧に示してくれるので、社会の価値観をそのまま自分に当てはめて苦しくなる、あの感覚から距離が取れます。さらに、競争や自己犠牲が“当然のもの”として扱われてきた背景まで説明してくれるので、自分の違和感が単なるワガママではなく、歴史的な構造とつながっていることがわかり、かなり気が楽になりました。 自分のペースで生きたいのに、社会の物語に巻き込まれやすい人に刺さると思います。進化論の話と聞くと難しそうですが、読んでみると「生きづらさの正体」を別角度から照らしてくれる読み物としてちょうどいい距離感でした。
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出版社による紹介
ダーウィンを祖とする進化学は、ゲノム科学の進歩と相まって、生物とその進化の理解に多大な貢献した。一方で、ダーウィンが提唱した「進化論」は自然科学に革命を起こすにとどまらず、政治・経済・文化・社会・思想に多大な影響をもたらした。そして、悲劇的なことに、進化論を曲解した彼の後継者たちが「優生思想」という怪物を生み出した。〈一流の進化学者〉たちによって権威づけられた優生学は、欧米の科学者や文化人、政治家を魅了し、ついにはナチスの反ユダヤ思想とつながり「ホロコースト」という悲劇を生み出すことになる。 第一線の進化学者の進化学の歴史に詳しい著者は、ダーウィンが独創した進化論は、期せずして3つの「呪い」を生み出したと分析する。「進歩せよ」を意味する〈進化せよ〉、「生き残りたければ、努力して闘いに勝て」を意味する〈生存闘争と適者生存〉、そして「この規範は人間社会も支配する自然の法則だから、不満を言ったり逆らったりしても無駄だ」を意味する、〈ダーウィンもそう言っている〉である。順に、「進化の呪い」「闘争の呪い」「ダーウィンの呪い」である。 本来、方向性がなく、中立的な進化が、なぜひたすら「進歩」が続くと信じられるようになったのか。ダーウィンとその理解者、そしてその志を継いだ後継者たちが、いかにして3つの呪いにかけられていったのか。稀代の書き手として注目される著者が、進化論が生み出した「迷宮」の謎に挑む。 第一章 進化と進歩 第二章 美しい推論と醜い 第三章 灰色人 第四章 強い者ではなく助け合う者 第五章 実験の進化学 第六章 われても末に 第七章 人類の輝かしい進歩 第八章 人間改良 第九章 やさしい科学 第十章 悪魔の目覚め 第十一章 自由と正義のパラドクス 第十二章 無限の姿
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