
異国の味 (集英社ノンフィクション)
稲田俊輔
集英社 / 2024-01-26
この本について
料理の話になると、「本場ってどこまで本場なんだろう」とか「日本のアレンジって悪いことなのかな」とか、地味に答えが出ないままモヤモヤを抱え続けていました。旅行先で食べた味と日本の店の味が違っても、それをどう受け止めればいいのか分からないまま。でも、この本を読んでみると、自分の中でずっと曖昧にしていた前提が、静かに整っていく感じがありました。 たとえば、日本では外国料理が移民の店ではなく、最初から“日本人向け”として広がってきたという視点。ここを押さえるだけで、「本場らしさ」をめぐる悩みが少し軽くなります。また、日本人が世界の料理をこんなに積極的に受け入れている珍しさとか、アメリカ料理の“足したら足しっぱなし”の魅力みたいに、ただのうんちくではなく「そう言われると確かに」と腑に落ちる説明が続いていきます。フランス料理が日本で広がりづらい理由を“炭水化物問題”として語るあたりも、思わず自分の経験とつながってしまいました。 こういう積み重ねによって、異国の味をどう受け取り、どう楽しめばいいのかが少しやわらかくなる本です。食のこだわりが強い人よりも、「自分の好みってこれでいいのかな」とふと立ち止まってしまう人にこそ刺さると思います。
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