
校長の力 学校が変わらない理由、変わる秘訣 (中公新書ラクレ)
工藤勇一
この本について
学校や職場で、なんとなく「これはおかしい気がするけど、言語化できない」という場面ってありませんか。叱ることが“仕事”のようになっていたり、一律のルールが当たり前のように通っていたり、当事者の声がどこにも届かない空気があったり。自分もそういうモヤモヤを抱えたまま働いていた時期があって、この本に出会ってようやく腑に落ちたところがありました。 工藤さんが描くのは、きれいごとではない学校の現実です。教員が事務に平気で無茶を言ってしまう空気や、全員に通用しない決まりを当然のように押しつけてしまう構造。その一つひとつを「それは本当に必要なのか」と問い直し、子どもを当事者として扱うことで学校を変えていくプロセスが淡々と描かれています。特に、生徒が“全員OKの合意”を自分たちで探したエピソードや、障害のある子の受験をめぐって職員室が揺れた場面は、「対話が機能すると組織はここまで変わるのか」と実感を伴って伝わってきます。 読むうちに、自分の職場でも同じことが起きているな、と何度も振り返らされました。力の強い誰かが場を支配していないか、相手の立場を理解せずに決めつけていないか、目的を見失って手段ばかりが積み上がっていないか。学校という特殊な現場の話なのに、組織で働く誰にとっても他人事じゃない内容です。 現場の空気に違和感を覚えつつも、どう言葉にしていいかわからない人に静かに効く本だと思います。
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多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの17%が集中しています。
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