
人間はどこまで家畜か 現代人の精神構造 (ハヤカワ新書)
熊代 亨
早川書房 / 2024-02-21
この本について
仕事でも日常でも、「なんでこんなに周りに合わせるのがしんどいんだろう」とか、「社会のスピードについていけてない気がする」と感じることってありませんか。自分が弱いのか、それとも社会のほうが速すぎるのか、その境界がだんだん分からなくなってくるあの感覚です。僕も同じようにモヤモヤしていたとき、この本に出会いました。 『人間はどこまで家畜か』が面白いのは、「現代の息苦しさ」を精神論でなく、生物学や進化の話から説明してくれるところです。たとえば、人間は長い時間をかけて穏やかで協力的な性質へ進化してきたのに、文化や都市環境のほうは資本主義や社会契約のロジックでどんどん高速化していく。そのギャップが、僕たちの不安やストレスとして現れているかもしれない、という視点が刺さりました。また、弱さを抱える人が増えているのも「個人の問題」と片付けず、精神医療や都市の構造、制度の力学のなかで理解し直してくれるので、責める矛先が自分だけに向かわなくなります。 読み終えると、今のしんどさを「自分の欠陥」と見なすのではなく、もう少し大きな構造のなかで捉え直せるようになります。日々の選択や働き方をどう整えていくかを考えるときの、地図のような役割をしてくれる本でした。 特に、「社会のスピードに置いていかれている気がする人」にぜひ手に取ってほしい一冊です。
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