
東京いい店はやる店―バブル前夜からコロナ後まで―(新潮新書)
柏原光太郎
この本について
最近、外食の情報が多すぎて「どこに価値があるのか分からなくなる」ときがあります。予約のとれなさも、流行りの技法も、コミュニティの噂話も入り混じっていて、結局なにを基準に選べばいいんだろう…と迷うあの感じ。僕も同じで、店選びが“作業”になってしまう瞬間がありました。 この本が面白いのは、流行やランキングではなく、“味の背景にある人と土地と時間”を丁寧に拾ってくれるところです。たとえば、寿司の流儀ひとつとっても、コハダやシンコにこだわる職人の気持ちを知ると、同じ一貫でも見え方が変わりますし、「京味」の系譜のように、料理人の歴史を追って店を選ぶ楽しさもある。さらに、薪料理の台頭やフードテックの進歩、海外進出の動きまで含めて読むと、東京の外食が“点”ではなく“流れ”としてつながってくるんです。 個人的には、隠れたコミュニティで情報が飛び交う理由や、若い料理人がどんなふうに独立の機会をつかんでいるかを知れたことで、店選びの軸が少し落ち着きました。流行に乗るのではなく、自分が何を面白いと思うのかを取り戻せた感覚があります。 「外食が好きだけど、情報に流されるのはしんどい」という人には、静かに効いてくる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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