
倫理的なサイコパス
尾久守侑
晶文社 / 20240524
この本について
最近、「本来の自分はもっとできるはずなのに、どうして今こうなってるんだろう」と焦ることがありませんか。無理して理想の自分に戻ろうとするほど空回りして、気持ちも体調も落ちていくあの感じ。僕自身もよくそこで迷子になります。 『倫理的なサイコパス』を読んでいて印象的だったのは、そうした“本物に戻らなきゃ”という思い込みそのものを、いったん脇に置く視点です。作中で紹介される物語やゲームの例は、他者の心や空気を読みすぎて疲れてしまう構造をふっと外側から見せてくれます。自分がなにに反応して消耗していたのか、具体的に輪郭がはっきりしていく感覚がありました。それだけでも、戻るべき「本物の自分」を追いかける負荷が少し軽くなります。 もう一つ、この本が効いたのは、他人との距離の取り方に“いきなりうまくやろうとしなくていい”という空気があることです。倫理的であろうとする姿勢は保ったまま、無理に善人になる必要もない。境界線の引き方を、現実的なレベルで扱ってくれます。 自分の感情や役割に振り回されやすい人に特に刺さる一冊だと思います。読んだあと、理想の自分を追いかける前に、今の自分と少しだけ仲直りする余白が生まれます。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
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