
能力主義をケアでほぐす
竹端寛
晶文社 / 20250225
この本について
仕事でも家庭でも、なんとなく「ちゃんとやらなきゃ」と思い続けてしまう時期ってありますよね。努力すること自体は嫌いじゃないのに、いつの間にか“うまくやれていない自分”を責めるクセがついてしまう。しかも周りも自分も気づかないうちに、能力で人を測る空気に巻き込まれていく。そんなモヤモヤに心当たりがあるなら、この本はけっこう刺さると思います。 『能力主義をケアでほぐす』が面白いのは、能力主義を頭ごなしに否定するわけじゃなく、著者自身がその競争に乗ってきた人間として、「自分もそのロジックで他人や自分を追い詰めていた」と静かに認めていくところです。読んでいると、他者の意見を「知識の差」と決めつけてわかった気になっていた場面や、成果だけを“できる”と数えていた自分にハッとさせられます。また、能力が個に帰属するという前提そのものを疑う視点は、普段のコミュニケーションのぎこちなさを説明してくれるようでした。 結論部分は拍子抜けするという読者の声もありますが、逆にそこが現実的で、日常の中で考え直せる余白になっています。能力主義がしんどいと薄々感じつつも、完全に降りるわけにもいかない。その狭間で息苦しくなっている人に「まずはここから」と差し出される感じの一冊です。 特に、自分の努力だけでは片付けられない違和感を抱えている人に向いています。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの16%が集中しています。
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