
暴走する能力主義 ──教育と現代社会の病理 (ちくま新書)
中村高康
この本について
最近、「新しい能力」を求められている気がして落ち着かない…そんな話をよく聞きます。勉強だけでもダメ、コミュ力だけでもダメ、でも結局何を基準に判断されてるのかよく分からない。自分も同じように戸惑ってきたので、この本を読んだときは、霧が少し晴れたような感覚がありました。 面白いのは、いま起きている“能力探しの大合唱”が、実は昨日今日始まった話じゃないと示してくれるところです。昭和の就職本にも「人物本位」と書かれていたし、海外のエリート校でも「人間的な質」を評価していた。つまり、いつの時代も「測れないはずの能力をなんとか測ろうとする」流れがあって、今の混乱はその延長線なんですよね。そう考えると、いま世間で語られる“新しい能力”の多くが、実は最大公約数の言い換えにすぎない、という指摘もすっと入ってきます。 読んでいて特に効いたのは、「能力というものは社会がつくる」という視点でした。これを一度受け入れると、無理に流行の能力観に合わせようと焦る気持ちが弱まります。自分が生きる現場で何が求められているのか、もう少し具体的に見ていいんだな、という許可が出る感じです。 いまの能力主義にモヤモヤがある人、そして「自分だけ努力の方向が分からない」と感じている人には、かなり刺さると思います。
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多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの24%が集中しています。
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