
実力も運のうち 能力主義は正義か? (ハヤカワ文庫NF)
マイケル サンデル and 鬼澤 忍
早川書房 / 2023-09-11
この本について
最近、「努力した分だけ報われるはずなのに、なんでこんなにしんどいんだろう」とか、「自分がうまくいっていないのは全部自分のせいなんじゃないか」と思い詰める瞬間があるんですよね。頭では環境や運の要素もあると分かっていても、どこかで“できない自分”を責めてしまう感じ、僕もずっと抱えてきました。 この本がやさしいのは、「能力主義って本当に正しいの?」という問いを、攻撃ではなく、一緒に考える形で差し出してくれるところです。努力が大事なのは否定しない。でも、成功も失敗もすべて個人の責任に回収してしまう現代の空気が、どれだけ僕らの肩に重い荷物を載せているのか、具体的なエピソードを通して見せてくれます。たとえば、誰もが「やればできる」と言われ続けることで、成功した人はおごりに、うまくいかなかった人は自己嫌悪に追い込まれやすくなる。その構造を知るだけで、少し呼吸がしやすくなるはずです。 また、社会の仕組みを理解すると、自分の立ち位置の見え方が変わります。努力不足じゃなく、そもそも流動性が低い社会で上を目指すこと自体が難しくなっている。そう気づけるだけで、自分だけが取り残されたようなあの孤独感が薄れていきます。 「自分を責めるクセが抜けない人」には特に刺さると思います。人生を軽くするための哲学書みたいな位置づけで、読後に少しだけ肩の力が抜けます。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの26%が集中しています。
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