
基礎からわかる 論文の書き方 (講談社現代新書)
小熊英二
講談社 / 2022-05-18
この本について
文章を書こうとすると、主題がぼやけたり、調べたことをただ積み上げただけになったりして、「で、何を言いたいんだっけ…」と手が止まることがよくあります。僕自身、資料だけ増えて形にならない時期が長かったので、このモヤモヤはかなり共感します。 小熊さんの本は、そんな停滞をゆっくりほどいてくれる一冊でした。たとえば、序論から結論までの流れをどう組み立てるかが、驚くほど具体的に示されています。「物語でつかみ、主題を置き、データ・比較・原因で積む」という型があるだけで、文章の見通しが一気によくなるんですよね。また、「どれだけ調べたか」ではなく「調べた事実をどう使うか」が論文の肝だという指摘は、情報収集に逃げがちな自分にはかなり刺さりました。さらに、研究という営みそのものを過度に神格化せず、人間の不完全さや世界の複雑さに向き合う面白さまで丁寧に語られていて、書くことのハードルが少し下がります。 論理的に書かなきゃと力むほど空回りしてしまう人、あるいは卒論・レポートが「どこから手をつければいいのか」で止まっている人にとって、この本は実用と安心のちょうど中間にあるガイドだと思います。実証研究の進め方や主題の立て方も具体的で、読みながら「次にこれをやればいい」が見えてくるはずです。
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