
誤読と暴走の日本思想~西周、福沢諭吉から東浩紀、落合陽一まで~ (光文社新書)
鈴木 隆美
累計読者数10
平均ハイライト数 29件/人
star総合評価 75/100
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この本について
自分の意見を言うとき、どこまでが自分で、どこからが「周りの空気」なのか分からなくなることがあります。個人で考えているつもりでも、気付けば集団の価値観に寄っていくあの感じ…僕自身もずっと引っかかってきました。 この本は、そうしたモヤモヤを「日本語という土壌」と「翻訳の歴史」から説明してくれます。たとえば、哲学という言葉そのものが儒教と西洋思想の混ぜ物として誕生していたことを知ると、そもそも私たちの思考は最初からハイブリッドだったのか、という視点が持てます。また、自由や個人主義が日本で“うまく接地しない”理由が、性格ではなく言語文化の積み重ねにあるとわかると、無理に欧米的な振る舞いを目指す必要もないかもしれない、と少し気が楽になります。 さらに面白いのは、明治の思想家たちが西洋の概念を必死に訳しながら、無意識に儒教的な意味を混ぜ込んでいった過程です。現代の同調圧力や「出る杭にならない」空気も、突然生まれたわけではなく、長い翻訳と記号の再編成の結果なのかもしれません。 日本の思考のクセを、自分のせいにしすぎてしまう人に刺さる一冊です。自分の考え方の輪郭が、少しだけ鮮明になります。
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