美しく残酷なヒトの本性 遺伝子、言語、自意識の謎に迫る (PHP新書)

美しく残酷なヒトの本性 遺伝子、言語、自意識の謎に迫る (PHP新書)

長谷川 眞理子

早川書房 / 201410

累計読者数5
平均ハイライト数 6.2件/人
star総合評価 38/100
trending_up後半加速型

この本について

最近、SNSを見るたびに「なんでこんなに分断が深まるんだろう」とか、「結局みんな、自分に都合のいい情報ばかり拾ってない?」と感じることが増えました。自分も気づけばフィルターバブルの中にいて、世界が狭くなっていくような感覚があります。人間って本当はどういう生き物なんだろう、という根っこの部分が気になってしまうんですよね。 この本は、そういうモヤモヤに対して、感情論ではなく「ヒトという生物」を基準にした視点を渡してくれます。たとえば、赤ちゃんの研究から「性善説的なスタートライン」を持っていることが示されていたり、逆に大人になるにつれて経験を通して性悪説的な学びを身につけてしまうプロセスが丁寧に語られていたりします。また、SNSが分断を加速させるのも、人間が本来持つ“内集団と外集団を区別したがる性質”に技術が寄り添いすぎているからだ、と説明されると、不思議なくらい腑に落ちます。 さらに、戦争の判断を誤らせる「戦争の文化」の話も出てきます。都合のいい思考や異論の排除がなぜ起きやすいのかを、生物としてのヒトの特性から見ることで、ニュースの見え方まで変わってきました。個人の失敗や社会の混乱を、誰か一人の悪意だけで説明しなくてよくなる感覚があります。 人間の行動や衝動を、責めるでも美化するでもなく、「生物としてのヒト」という位置までいったん下げて見たい人に刺さる一冊です。自分を理解したいときにも、世界のノイズに疲れたときにも、静かに効いてきます。

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