
世界はなぜ地獄になるのか(小学館新書)
橘玲
小学館 / 2023-08-01
この本について
最近、SNSで何気ない発言が急に「地雷」になる感覚や、どこまで配慮すればいいのか分からなくなる瞬間が増えました。差別したいわけじゃないのに、言葉選びを間違えると一気に悪役扱いされるあのヒヤッとする感じ、僕自身ずっとモヤモヤしていました。 橘さんの『世界はなぜ地獄になるのか』は、この息苦しさがどこから来ているのかを、感情論ではなく「人がどうステイタスを競う生き物なのか」という視点で説明してくれます。正義を振りかざす側も、叩かれる側も、実は同じゲームの中にいるだけで、そこに陰謀めいたストーリーはない。ただ、SNSが舞台を広げすぎてしまった結果、僕らが耐えきれないレベルで競争が可視化されている。そう言われると、あのギスギスの正体がようやく輪郭を持つんですよね。 読んでいて特に効いたのは、「地雷原に近づかない」という現実的な生存戦略が淡々と提示されているところです。綺麗事ではなく、いまの環境ではそう判断するしかないという冷静さ。また、リベラル社会の原則を共有する必要性が示されつつも、そこに完璧さを求めすぎれば破綻するという距離感も、どこか安心させてくれます。 社会の議論に疲れつつも、完全に距離を置くのも難しい人に刺さります。僕と同じように、「どう振る舞えばいいのか」を言語化できずにいる人には、腑に落ちるところが多いと思います。
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ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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