
よくも言ってくれたよな(新潮新書)
中川淳一郎
新潮社 / 2022-06-17
この本について
最近、人と話していて「なんでこんなに空気を読まないといけないんだろう」とか、「自分の考えを言うだけで敵扱いされるの、しんどいな」と思うことが増えました。何か意見を述べても、背景の文脈よりラベル付けのほうが先に来てしまう感じ。自分が間違っているのか、みんなが過敏になりすぎているのか、その判断すらしづらいまま日々が進んでいく感覚があります。 この本が響くのは、作者がそのモヤモヤを一度きれいに分解してくれるところです。例えば、マスクやワクチンの話題のように、正解が誰にも分からない場面で「空気に合わせる」ほうへ流される仕組みを、具体的な言葉で示してくれます。また、怒りが拡散されていくメカニズムや、相手を悪者に仕立ててしまう心理が、社会全体でも個人レベルでも起きていることとして描かれていて、自分も気づかないうちに同じ行動をしていたかもしれないと思わされます。さらに、「意見を持たない」という姿勢すら、逃げではなく自衛の一つの形なんだと示してくれる部分もあって、少し呼吸がしやすくなります。 全体として、正しさを断定する本ではなく、「あの窮屈さはこういう構造だったのか」と腑に落ちる視点をくれる一冊です。自分の中の違和感を言語化したい人に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
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