
超・反知性主義入門
小田嶋 隆
日経BP / 2015-09-15
この本について
ニュースやSNSを眺めていると、「なんでこんな空気に流されてるんだろう…」とモヤっとすることが増えました。自分の意見を言うのも怖いし、かといって誰かの強い断言に乗っかるのも違う気がする。そんな宙ぶらりんな感覚のまま日々を過ごしている人は、多いんじゃないでしょうか。 『超・反知性主義入門』は、そのモヤモヤを「気のせいじゃないよ」と言ってくれる本でした。議論がいつのまにか是非ではなく“どちらがより善良に見えるか”の競争になっていたり、誰も止められない同調の流れが暴走したり、謝罪会見が“公開処刑”として消費されていく様子を、淡々と、でも妙に実感のある距離感で描いてくれます。読んでいて刺さるのは、著者が誰かを断罪したいわけじゃなく、私たち自身がいつのまにか空気に飲まれてしまう構造の方を見ているところです。 特に、「優秀な人ほど幅の狭い考え方に囚われることがある」という指摘や、「ユーモアはセンスではなく関係性の問題」という視点は、日常で感じていた小さな違和感に位置づけを与えてくれました。世界を効率だけで回せないように、人間関係や言葉の扱いにもグレーな領域があって、その曖昧さを保つことがむしろ大事なんだと腑に落ちる瞬間が多かったです。 空気に敏感すぎて疲れてしまう人。自分の考えが時々よくわからなくなる人。そんな人にほど、ひっそり効いてくる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの23%が集中しています。
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