
〈わたし〉からはじめる地方論――縮小しても豊かな「自律対話型社会」へ向けて (土着のイノベーション)
工藤尚悟
この本について
人口が減っていく地域を見るとき、「このままじゃまずい」と思いながらも、じゃあ自分に何ができるのか、どこまで踏み込んでいいのか……そんな距離感のモヤモヤってありませんか。外側から眺めるだけでは薄っぺらい気もするし、かといって“地域づくり”と言われると急にハードルが上がる。僕自身もずっとその間で揺れてきました。 この本が面白いのは、地域を見るときの「私の立ち位置」を丁寧にほぐしてくれるところです。関わった瞬間に、もう自分は外側の人ではなく内側の一部になっている、という指摘にハッとさせられますし、「限界だ」と言っているのは誰なのかという問いは、地域を見る視点を根こそぎ揺らします。また、人口や産業といった数字ではなく、継承や文化といった“流れのなかのあいだ”として地域を捉える発想は、縮小という現実と向き合ううえで無理のない手がかりになります。 読んでいて、地域に関わるときの肩の力が少し抜けました。大きな処方箋を語る本ではなく、現場で交わされた会話や小さな企ての積み重ねから、「続いていく地域」のイメージを一緒に探していく感覚に近いです。外から何かしてあげる、ではなく、自分もその場に混ざりながら考えていけばいいんだと気づけます。 地域との距離感に迷っている人、あるいは「地方創生」という言葉にどこか馴染めない人に特に刺さる一冊だと思います。
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