
マイクロスパイ・アンサンブル (幻冬舎文庫)
伊坂幸太郎
幻冬舎 / 2023-01-27
この本について
仕事でも日常でも、つい「ちゃんとしなきゃ」と背中が固まる瞬間ってありますよね。失敗した発言を後から思い出して沈んだり、誰かの気持ちをどうにかしようとして空回ったり、謝るタイミングひとつで妙にプライドがざわついたり。僕も日々そんな小さなモヤモヤを抱えたまま過ごしています。 『マイクロスパイ・アンサンブル』を読んでいて感じたのは、そのモヤモヤに対して正解を示すというより、「肩の力の抜き方」をそっと見せてくれる本だということです。時間も他人の心もどうにもならない、という冷静さと、それ以外は案外どうにでもなる、という開き直り。その間で揺れる登場人物たちの言葉が、こちらの心の硬いところを少しずつほぐしていきます。謝って削れるようなプライドは大したものじゃない、という台詞も、自分の中に残っていた過剰なこだわりをほどいてくれました。また、余裕のないがんばりほど空回りする、という描写には、日々の自分がそのまま映って見えて、少し笑ってしまいます。 誰かを無理に変えようとせず、流れの中で自分の立ち位置を調整しながら進んでいく感覚。それを小さなエピソードの積み重ねで見せてくれる物語でした。日々の人間関係や仕事で「ちょっと疲れたな」と感じている人に、静かに効いてくる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの50%が集中しています。
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