
巨人のノート 記録は人生を変える最強の武器である
キム・イッカン and 米津篤八
この本について
本を読んでも内容がすぐ抜けていく感覚って、けっこうありますよね。読みながら「ここ大事だな」と思って線を引いたのに、いざ仕事で使おうとすると思い出せない。自分もずっとそのくり返しでした。たぶん、多くの人が「ちゃんと読もう」と力むほど、逆に頭に残らないという矛盾を抱えているんじゃないかと思います。 『巨人のノート』が面白いのは、記録を「がんばって残す作業」ではなく、自分の思考を育てるプロセスとして扱っているところです。たとえば、読んだ章をA4の半分に収めるくらいでざっくりまとめるとか、目次に沿わず興味のある章から読んでキーワードだけ拾うとか。一見ラフなのに、やってみると驚くほど内容の流れがつかめるんです。著者が言う「自己化」という考え方がしっくりきて、記憶に残るのは情報そのものより、自分の理解や解釈を混ぜた部分なんだなと腑に落ちました。 また、仕事にも直結する話が多いです。市場調査のメモに、自分のアイデアや違和感を混ぜていくことで企画の質が変わるとか、長文を書く前にテーマごとに考えを分類しておくと文章の骨組みが自然と整うとか。どれも「才能ではなく習慣」として説明されていて、再現性がありました。読んだらすぐ試せる小さなコツばかりで、負担なく続けられるのもありがたいところです。 情報を読むだけで終わるのがもったいない気がしている人、自分の言葉で整理する力をつけたい人には特に刺さると思います。記録の仕方ひとつで、日々のインプットがちゃんと「使える知識」に変わるんだ、と実感できる本でした。
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