
ナショナリズムとは何か 帰属、愛国、排外主義の正体 (中公新書)
中井遼
中央公論新社 / 2025-11
この本について
ニュースで「ナショナリズム」という言葉を見るたびに、どこまでが健全な帰属意識で、どこからが排外なんだろう…と考え込むことがあります。自分の中にもそういう感情がゼロではない気がして、でもそれをどう扱えばいいのかがよく分からない。そんなモヤモヤを抱えたまま、なんとなく議論を避けてしまうことも多いと思います。 この本は、ナショナリズムを大きな思想や歴史の物語として語るというより、「私たち一人ひとりの意識のどこで生まれ、どう作用するのか」という視点で丁寧にひらいてくれます。たとえば、愛国心や排外感情がどのような社会条件と結びつきやすいのか、また“日本人”という感覚が意外と最近になって広まったものだという歴史的背景など、踏み込みにくいテーマを静かに整理してくれます。被害者意識が集団をどの方向へ動かすのかという話も、遠い国の話ではなく、自分の感情や周りの空気の中にも思い当たる部分があって、読みながら姿勢を正されました。 ふだん政治の話題をスルーしがちな人でも、日常の中でふと覚える違和感の正体に手を伸ばしたいなら、この本はちょうどいい距離感を保ちながら案内してくれます。自分の内側にある「帰属したい気持ち」と「線を引いてしまう怖さ」を同時に扱ってみたい人に特に刺さると思います。
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