
別冊NHK100分de名著 ナショナリズム
大澤 真幸, 島田 雅彦, 中島 岳志, and ヤマザキ マリ
NHK出版 / 2020-08-25
この本について
最近、人や国にまつわる話題を見るたびに、「自分がどこに立って世界を見ているのか」がよく分からなくなることがあります。国籍とか文化とか、気にしていないつもりでも、ふとした瞬間にそこに縛られている自分に気づくような感覚です。そんなモヤモヤを放置できなくて手に取ったのが、この『ナショナリズム』でした。 読んでみて意外だったのは、「国民」という存在が、実はかなり“想像の産物”としてつくられているという指摘でした。互いに一生会うことのない人たちを、あたかも同じ共同体として思い描くためには、どこか超越的な視点を持つ必要がある。その仕組みを、小説の「この間」という言葉にまで立ち返って説明してくれるので、日常の感覚と結びつけて理解できるんです。また、出版というテクノロジーが“国の言葉”を形づくり、それが人々をゆるく一つにまとめていく流れも丁寧に語られていて、自分が普段使っている言語にも歴史的な力があるのだと気づかされました。 この本の良さは、ナショナリズムを善悪で切らず、「どういう視点で世界を見てしまっているのか」を静かに照らしてくれるところにあります。社会の空気に少し疲れたとき、自分の立っている位置をいったん外側から見直したい人に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの38%が集中しています。
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