
学力と階層
苅谷 剛彦
朝日新聞出版 / 2012-08-07
この本について
最近、「教育って本当に今のままでいいのか」と考える場面が増えました。自分の子どものことでも、自分自身の学び直しでも、制度そのものがどこに向かっているのか分からなくて、なんとなく落ち着かない。知識を詰め込むだけじゃもう限界なんじゃないか…という感覚を持っている人も多いと思います。 『学力と階層』は、そのモヤモヤを少し整理してくれる本でした。戦後の日本があえて中央集権で全国標準を作り、能力別の分断を持ち込まないことで「学力のばらつきが小さい国」を実現していた事実。そして80年代以降、新自由主義の流れの中で規制緩和が進み、習熟度別のクラス編成や競争型の仕組みがじわじわ浸透していった経緯。自分が「なんとなく」感じていた変化の理由が、一本の流れとして見えてきます。 特に刺さったのは、知識そのものよりも、「必要な情報を見つけ、使いこなす力」が求められる時代になったのに、制度の側は十分な検証をしないまま古い構造を壊し続けているという指摘でした。現場の違和感は、そのギャップから生まれているのかもしれません。 教育の話に限らず、「なぜ今こうなっているのか」を歴史的な流れで理解したい人に向いている本です。自分の立場や経験をそのまま持ち込んで読めるので、専門書だけど意外と腹落ちしやすい一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの86%が集中しています。
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