感覚史入門 なぜプラスチックを「清潔」に感じるのか (平凡社新書 1096)

感覚史入門 なぜプラスチックを「清潔」に感じるのか (平凡社新書 1096)

久野愛

平凡社 / 2025-12-17

累計読者数6
平均ハイライト数 12件/人
star総合評価 48/100
trending_up後半加速型

この本について

日々生活している中で、「なんで自分はこれを当たり前だと思っているんだろう」と急に立ち止まる瞬間ってありませんか。例えば、明るい部屋のほうが安心するとか、プラスチック容器を“清潔”だと感じるとか。理由は説明しづらいのに、身体がそう判断してしまう。でもその基準って、本当に自分だけのものなんでしょうか。 『感覚史入門』を読むと、その「当たり前」はけっこう揺らぎます。谷崎潤一郎が電灯ではなくロウソクの薄明かりに魅力を感じた話や、ガス灯によって夜が一気に社交の時間へ変わった歴史が紹介されるのですが、そこで描かれているのは単なる照明の変化ではなく、人々の“世界の感じ方”そのものの更新なんですよね。私たちが清潔・危険・心地よいと判断する基準も、時代や技術と一緒に書き換えられてきたのだと気づかされます。 さらに面白かったのは、VRの章で語られる「身体の再編成」という視点です。ヘッドセットをつけて仮想空間に没入するとき、私たちはただ別世界を体験しているのではなく、感覚そのものの構造が組み替わっている。調香師の訓練の例もそうですが、身体はいつも環境との関係の中でつくり直されている、という考え方が腑に落ちました。自分の“感じ方”が固定されたものではないと思えると、世界の見え方が少し軽くなります。 自分の感覚の由来やズレにモヤモヤしている人、あるいは「どうして自分はこう感じるのか」を丁寧に知りたい人には、とても静かに響く一冊だと思います。

この本に似ている本

すべて見る arrow_right_alt
書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

資本主義と技術が五感を作り替えた! デパート、新素材、VRまで、我々の身体と世界の“感じ方”はどのように商品化されたのか。
library_books似た本をもっと見るmap書籍マップで探すroute読書パスガイドauto_awesomeAI診断で次の1冊を探す

BookNotion をお使いの方へ

この本の指標は、あなたの本棚でも見られます

このページで見ている読者数・精読度・完走率は、あなた自身の本にも表示できます。BookNotion をお使いなら、下のリンクを開くだけで自分のデータが出ます(ログイン操作は不要です)。

読んだ内容を、もう忘れない。

BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。

無料ではじめる

クレジットカード不要