
不良少年とキリスト
坂口 安吾
千歳出版
この本について
生きているだけで疲れる日ってありますよね。何に負けたくないのかも分からないまま、ただ踏ん張っているだけで擦り減っていく感じ。大げさな理想を掲げても続かないし、かといって諦めきれるわけでもない。そういう時に、この本の言葉が変に慰めるでもなく、でも妙に背筋を伸ばしてくれるんです。 坂口安吾の『不良少年とキリスト』は、生きるとか死ぬとかを観念的に語らない本です。格好つけた「勝ち」や「正しさ」を求めるほど人は迷走するし、時間は無限じゃないし、何より“戦うって、負けないように続けるだけだよ”という感覚がすごく現実的です。私自身、何かに勝とうとするたびに空回りしていたので、「勝てないけど続ければ負けない」という位置づけがかなり腑に落ちました。 そしてもうひとつは、“大げさに考えすぎると、全部ズレる”という視点です。理想の自分や完璧な親像や崇高な使命みたいなものを追いかけすぎると、本当にやるべき小さな行動が見えなくなる。安吾はそこを容赦なくほぐしてくれます。生きることに装飾をつけすぎていたと気づかされる感じです。 派手な希望をくれる本ではないけれど、地に足をつけたい人には強く刺さると思います。特に「大きなことはできないけど、今の自分で踏みとどまりたい」という人に。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの28%が集中しています。
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