
人生はあきらめるとうまくいく
ひろ さちや
幻冬舎 / 2012-02-22
この本について
最近、「もう少し頑張ればなんとかなるはず」と思いながら、かえって気持ちが重くなる瞬間がありませんか。僕もそうで、やりたいことや守りたいものが増えるほど、少しの失敗すら怖くなる。でも、この本を読んでいると、その“怖さ”の正体が、実は自分が抱えている欲の質そのものにあることに気づかされます。 ひろさちやさんの言う「あきらめ」は投げ出すことではなく、まず立ち止まって“自分が何を求めているのか”を丁寧にあきらかにする作業に近いです。欲はあって当然だけど、それを満たす方向に走るほど、次の欲が湧いてきて終わりがない。だからこそ「ひとつ減らす」「少し手放す」だけで視界がゆるむことがある。リストラされたらその中で楽しく工夫する、ひきこもっているならそのままゆったり過ごしてみる。そんな極端に聞こえる提案が、不思議と現実の行動レベルで腑に落ちてくるのがこの本の面白さです。 特に刺さったのは、「見たくなったらまた来ればいい」という距離感。完璧に直そうとするから苦しくなるし、すぐに前向きにならなきゃと焦るからつらくなる。人生を“意味づけようとする緊張”をいったんほどいて、今ここでのんびりする工夫を探す――そのくらいの姿勢でも、意外と日常は回るんだなと思えます。 がんばる一方で「何かがいつも足りない」と感じてしまう人に、静かに効いてくる本です。
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