
壊れたおねえさんは、好きですか? (文春文庫)
中村 うさぎ
文藝春秋 / 2007-02-10
この本について
人間関係で説明しにくい「湿度」みたいなものに振り回されることってありませんか。相手への好意なのか執着なのか、自分でもよく分からないまま動いてしまって、後から冷静になると「なんであんな行動したんだろう…」とひとり反省会が始まるやつです。頭で整理しようとしても、感情ばかりが先に暴走してしまう感じ、僕もけっこう覚えがあります。 中村うさぎさんの『壊れたおねえさんは、好きですか?』は、そういうモヤモヤを真正面から言語化してくれる一冊でした。恋をすると母性が暴走する仕組みとか、執着と愛の境界がどれほど曖昧かとか、「母性の濫用」「父性の欠落」といった概念を、抽象論ではなくかなり生活に近い温度で語ってくれます。読みながら、自分が無自覚にやっていた「支配したい気持ち」や「見捨てられたくない焦り」が、急に照らし出される瞬間がありました。 特に、相手との関係に生まれる湿度を「闇フェロモン」として説明するところは、妙にリアルなんですよね。薄暗い場所でしか見えない化学反応みたいなものが、たしかに人間にはある。そこを善悪じゃなくて、もう少し冷静に扱えるようになるだけで、自分の行動にも余白が生まれる気がします。 恋愛や人間関係の裏側にある力学を、ちょっと笑いながらでも理解したい人に刺さると思います。自分の感情の変な湿度に振り回されがちな人ほど、静かに効いてくる本でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの56%が集中しています。
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