
ルンルンを買っておうちに帰ろう (角川文庫)
林 真理子
この本について
人の活躍を見て、別に嫌いじゃないのに妙にザワついたり、SNSで「なんでこの人が…」と理屈のつかない悔しさが湧いたり。そういう気持ちって、表ではさらっと流しても、内側ではずっとモヤモヤしたままだったりします。誰かと比べるつもりなんてないのに、気づけば比べてしまう。そんな自分にちょっと疲れてしまう瞬間、ありませんか。 林真理子さんの『ルンルンを買っておうちに帰ろう』が刺さるのは、この“見たくない本音”を、むしろ堂々とさらしてしまうところだと思います。若い女性のきれいめエッセイが書かない、ヒガミやネタミの泥っぽい部分を、あえて隠さずに語る。その開き直り方が、読者の「この気持ち、自分だけじゃなかったのか」という安心につながるんですよね。嫉妬の正体を無理やりポジティブに変換しようとはせず、まずはそのままの形で受け止める視点をくれるので、気持ちが妙に軽くなります。 さらに、悪役に振り切るような語り口なのに、どこか人間らしさがにじんでいて、読んでいる自分まで“完璧じゃなくていいか”と思えてくるのも効くポイントです。強がりと弱さが同居している感じが、いま自分が悶々としている方向に、ちょうどいい距離感で寄り添ってくれます。 「比べる気はないのに比べてしまう自分がしんどい人」にとっては、かなり救いになる一冊だと思います。気持ちの整理の前に、まずは本音の泥を出してみたいときにちょうどいい本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの50%が集中しています。
読書の順序
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