
不夜城 (角川文庫)
馳 星周
KADOKAWA / 2012
この本について
忙しい日々の中で、「自分の立ち位置がよく分からない」とか「生きるための判断基準がブレる」といった感じのモヤモヤにぶつかることがありませんか。正しさより、生き延びる術のほうが切実に思える瞬間って、誰にでもあると思います。 『不夜城』の抜粋を読むと、まさにその“生き延びるための感覚”がむき出しで描かれていて、きれいごとじゃ説明できない現実の匂いに触れられます。何をするにも保険をかける習慣とか、歌舞伎町をジャングルにたとえる視点とか、そういう極端な世界の話に見えて、実は自分の日常にも通じる部分がある。例えば、先の見えない状況でどう身を守るかとか、環境ごとに名前や役割を使い分ける感覚とか、読んでいるうちに「自分も無意識に似たことをやってるな」と気づかされるんですよね。 さらに、異国語や出自による分断の描写も、遠いテーマのようでいて、居場所の作り方やアイデンティティの揺れという点では誰にとっても無関係じゃないはずです。主人公が新しい名前を与えられたときの“異世界の住人になったような感覚”も、環境によって自分のキャラが変わる瞬間を経験したことがある人なら少し分かると思います。 きれいにまとまった解決は出てこないけれど、そのぶん現実に寄り添った視点が得られる小説です。自分の迷いに名前をつけたい人に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
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