
統計数字を疑う~なぜ実感とズレるのか?~ (光文社新書)
門倉 貴史
光文社 / 2006-10
この本について
数字を見ているはずなのに、なんとなく「実感とズレている気がする…」というモヤモヤ、けっこう日常的にありますよね。平均貯蓄額のニュースを見ても、自分の生活とは遠い感じがしたり、経済効果の話を聞いても、本当にそんなに影響があるのか疑いながら読んでいたり。仕事でデータを触るほど、この違和感はむしろ強くなる気がします。 この本は、そのズレを「感覚の問題」にせず、統計の仕組みから丁寧にほどいてくれます。たとえば、平均が役に立つのは正規分布に近いときだけで、資産や所得のように偏りの強い分布ではメディアンやモードのほうが生活実感に近いこと。また、阪神優勝の“経済効果”のような話が、代替効果を無視すると簡単に膨らんでしまうこと。さらに、因果関係を判断するつもりで読んでいるはずの数字が、実は「ただの相関」に過ぎない場面が多いこと。自分の中で当たり前になっていた読み方が、ちょっとずつほぐれていきます。 統計を扱う仕事の人だけでなく、「ニュースの数字をそのまま飲み込むのに少し抵抗がある人」には特に刺さると思います。数字と私たちの実感の距離を、乱暴に詰めるでもなく、過度に疑うわけでもなく、現実の範囲で整えてくれる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの31%が集中しています。
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