
水滸伝 十八 乾坤の章 (集英社文庫)
北方謙三
集英社 / 2008-03-19
この本について
仕事でも人間関係でも、自分の判断が正しいのか自信が持てない時ってありますよね。経験が足りない気もするし、かといって慎重になりすぎると動けなくなる。そんな時に北方版『水滸伝』の十八巻を読んでいると、楊令や林冲たちの揺れ方が、妙に自分ごとに感じられてくるんです。 彼らは迷わない英雄ではなく、迷いながらも前に出る人たちとして描かれます。たとえば、呉用の「失敗だけが目立つ役回り」や、阿骨打の「その瞬間に決めるしかない」という腹の据わり方。どちらも極端ではないのに、現実の判断に持ち帰れる感覚があります。楊令が若さゆえの未熟さを指摘されながらも、馬のように走りながら学んでいく姿も、年齢に関係なく刺さる部分が多いと思います。 さらに、林冲のように「強さの裏で揺れている人」がきちんと描かれているのも、この巻の魅力でした。百里風とひっそり会話する場面なんかは、自分が抱えている弱さを誰にも言えず、でもどこかで確かめたい時の気持ちに近い。戦の話なのに、妙に日常の心の動きに寄り添ってくれる瞬間が多いんです。 迷いながら役割を果たそうとしている人ほど、この巻はしっかり届くと思います。自信をつけるための本というより、迷っているままでも前に進んでいいと言われているような温度があります。
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ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの28%が集中しています。
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