
「日本史」の終わり 変わる世界、変われない日本人
池田 信夫、與那覇 潤
PHP研究所 / 2015-03-17
この本について
仕事でも日常でも、「なんで人はこんなに話が通じないんだろう」とか、「合理的に考えれば分かるはずなのに、感情だけで動く場面が多すぎないか…」と感じることがけっこうあります。自分の説明が悪いのか、それとも前提が違いすぎるのか、そのあたりがずっとモヤモヤしていました。 この本を読んで少し視界が開けたのは、そもそも人間は“言語化できない道徳的な直観”で動いていて、論理はそのあとにくっつく層にすぎないという指摘です。説明しても伝わらない理由が「相手が非合理だから」ではなく、人類史のレイヤーの違いにある、と理解できると、いま目の前の議論の温度も少し下がります。また、日本がタテ社会に回収されやすい構造の話や、戦争経験の有無が意思決定のドライさを左右するという部分は、組織で“全員の納得待ち”が起きがちな理由を腑に落とさせてくれました。 歴史や宗教の話をしているようでいて、実際には「なぜ私たちはこう動いてしまうのか」を静かに説明してくれる本です。人を変えるための武器というより、自分のイライラや無力感の背景を理解するための地図に近い。職場や社会の振る舞いに違和感がある人ほど刺さると思います。
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