
テクノ・リバタリアン 世界を変える唯一の思想 (文春新書)
橘 玲
文藝春秋 / 2024-03-19
この本について
最近、「テクノロジーが進めば自由が広がるはずなのに、むしろ息苦しさが増えている気がする」とか、「自分はこの変化のスピードについていけているのか」といった不安をよく聞きます。僕自身も、自由と不平等、効率と正義のバランスがどんどん難しくなっている実感がありました。 この本が面白いのは、そんな混乱を未来予測っぽく語るのではなく、「テクノロジーが人間の本性とどう衝突するのか」を冷静に描いているところです。たとえば、自由が広がるほど階層化が加速するという指摘や、功利主義がもつ怖さを統治のレベルで説明してくれるところは、読む側のモヤモヤをかなり言語化してくれます。クリプト・アナキストの理想がなぜ現実と噛み合わないのか、そしてそれでも自由を手放せないのはなぜか、そんな視点の転換が起きる本でした。 特に、「はたしてわたしたちは自己主権を扱えるほど賢いのか」という問いは、テクノロジーの話でありながら、結局は自分の生活や選択に返ってくるものです。テクノロジーに期待しすぎても悲観しすぎてもズレてしまう、その中間のリアルさを拾ってくれます。 今の世界に「なんとなく違和感がある人」に刺さる一冊だと思います。
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