
哲学と人類 ソクラテスからカント、21世紀の思想家まで (文春e-book)
岡本 裕一朗
文藝春秋 / 2021-01-27
この本について
最近、自分の行動がどこまで「自分の意思」なのか、ふと疑う瞬間がありませんか。SNSの通知に引っ張られたり、選択しているつもりでも何かに誘導されているような感覚があったり。便利さを享受しながらも、どこか落ち着かないあの感じです。 この本が面白いのは、現代のモヤモヤを「いま起きた問題」ではなく、人間がずっと抱えてきた弱さと技術の関係から読み解いてくれるところです。監視社会の話も、AIが怖いからではなく、そもそも人間が自分の弱さを補うために技術を発達させてきた流れの延長として描かれる。だから、いま私たちが感じる違和感がどこから来ているのか、すっと位置づけが見えてきます。 個人的に効いたのは二つで、ひとつは「自由に動いているつもりでも、すでに技術に組み込まれている」という視点が、SNSやアルゴリズムとの距離を取り直すきっかけになったこと。もうひとつは、人間の弱さそのものを前提にして読むので、技術への恐怖が少し和らぎ、逆にどう折り合っていくかを考えやすくなることです。大きな話をしているのに、日常の行動レベルに落ちてくる感覚があります。 「便利さと不安のあいだで揺れている人」に、とても静かに効く一冊です。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの43%が集中しています。
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