
デジタル生存競争: 誰が生き残るのか
ダグラス・ラシュコフ and 堺屋七左衛門
この本について
最近、「技術が進歩するほど暮らしは良くなるはずなのに、むしろ不安が増えている気がする」と感じる瞬間が多いんですよね。便利さの裏側で、誰が得をしていて、誰が置き去りにされているのか。そんなモヤモヤを抱えたまま日々のニュースを追っていると、自分の立ち位置が分からなくなることがあります。 この本は、その違和感を無理にポジティブに変換するのではなく、いったん立ち止まって「何がそう感じさせるのか」を丁寧にほどいてくれます。たとえば、技術や未来という言葉の裏に、支配や収奪の論理が潜んでいること。危機が起きるほど一部が潤い、その仕組み自体を維持しようとする力が働くこと。あるいは、デジタル化が物理世界の限界を曖昧にし、私たちの感覚まで抽象化してしまうこと。読み進めるうちに、ニュースの見え方や、テクノロジーへの距離感が少しずつ変わっていきました。 救いなのは、「じゃあ全部ダメだ」と突き放すのではなく、派手な解決策よりも、目の前の現実に関わり続けることの意味を静かに示してくれるところです。逃げ道の幻想に流れがちなときほど、手触りのある関わり方を取り戻すことが大事なんだろうな、と自分の行動を見直すきっかけにもなりました。 技術や未来の話を聞くたびにざわつく人、自分だけが取り残されているように感じる人には、じんわり効く一冊だと思います。
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