
逆説の日本史9 戦国野望編/鉄砲伝来と倭寇の謎 (小学館文庫)
井沢元彦
小学館 / 2005-06-01
この本について
歴史の本を読んでいると、「同じ出来事でも地域によってどうしてこんなに価値観が違うんだろう」と立ち止まることがありませんか。仕事でもそうですが、前提が違う相手を前にすると途端に判断がぶれるし、自分の中の“当たり前”が本当に当たり前なのか分からなくなる瞬間があります。 『逆説の日本史9』を読んでいて感じたのは、日本の歴史を知るというより、「日本の思考様式がなぜこうなったのか」を他地域との対比で具体的に理解できるところが妙に効いてくるという点です。例えば、放伐を否定して「朝幕併存」という二層構造に至った日本と、王朝交替を肯定した琉球や中国の違いは、制度の話というよりも、物事の決め方・権力の扱い方に対する発想そのものの違いを見せてくれます。また、倭寇や鉄砲伝来をめぐる“灰色の領域”を追う章では、合法と非合法の線引きを曖昧にすると何が起きるのかがリアルに描かれ、現代の組織や仕事の問題にもそのまま通じる感覚があります。 歴史の物語として読むだけでなく、「自分たちの前提を別角度から眺めたい人」に刺さる一冊だと思います。読んだあと、日本の特徴を“良い悪い”ではなく、成り立ちから落ち着いて説明できるようになる感覚があり、判断に迷ったときの拠り所が少し増える本でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの39%が集中しています。
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